矯正治療の専門性

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矯正の専門性とは

矯正治療は、歯科の中でも特別な専門技術が必要な分野です。虫歯治療などの「一般歯科」とは必要となる技術が異なります。そして、多くの矯正治療経験を積んでいることが大切です。

一般歯科と矯正歯科の違い

一般歯科と矯正歯科の大きな違いの一つに、「治療のゴール」の考え方があるかと思います。

一般歯科が、虫歯や歯周病でお困りの患者様を「元の健康な状態に戻す（＝restore）」治療であるとしたら、矯正歯科は「歯並びや口元のバランスの不整な状況を整えていく・変えていく（＝change）」治療になります。

患者様一人一人のより高い審美性・機能性を追求し、成長予測をして治療計画を立てたり、数年後のゴールを見据えて治療を進める矯正治療は、歯科の中でも特異性の高い分野です。

矯正歯科医になるためには

大学の歯学部６年の間は、歯学一般のことを学びます。矯正歯科医師を目指す場合は、国家試験に合格して歯科医師免許を取得してから大学の矯正学教室に入局し、数年にわたって矯正歯科についての基礎研修・臨床研修を専門に学びます。

そして、矯正医になってからもさまざまな臨床経験を積み、専門機関の審査で技術認定を受け、その資格を維持しながら技術の研鑽に努めていくことが、患者様の信頼に応えることと考えています。
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歯科医なら誰でも矯正治療をしても良いという制度

現在の日本の歯科医療では、歯科医師の国家資格を持っていれば、誰でも矯正治療を含めた歯科治療を行うことができます。また、日本は「自由標榜制」を取っており、歯科医は「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」の４種は自由に標榜することが医療法で認められています。

医院名にも先の４種であれば何を標榜しても良いため、最近では『○○歯科・矯正歯科』という医院が増えてきていますが、看板に「矯正歯科」と書いてあっても矯正歯科を専門とする歯科医が在籍していない場合もあるため、事前にしっかりとホームページ等を確認されることをお勧めします。

治療計画の重要性について

矯正治療は数年間にわたる治療です。歯の生え変わりの時期のお子さんや、骨格の成長期である中高生の治療は、個々の成長予測を加味した治療が重要になります。

矯正治療は歯並びだけでなく、骨格やお口の周りの筋肉までにも関わる治療ですので、不整な歯列に関しての情報や治療経験、発育中・後に関わらず患者様の不整な状況に対する考え方の基本など、きちんと矯正学を学んだ矯正治療専門の歯科医師のもとで治療をすることが大切です。

当院では、患者様が満足のいく治療結果を得られるよう、知識や経験に基づいて治療計画を立てていきます。適切な治療計画を策定する上では、以下のポイントが重要になります。

患者様へのヒアリング

治療計画を策定する上でまず大切なのは、患者様の主訴です。
「現在どのような症状にお悩みがあるのか」「矯正治療をしてどうなりたいのか」「どの矯正装置で治療をご希望か」などをしっかりお伺いして、その治療法の適性があるかを検討し、お悩みの箇所や治したいご希望にお応えするためにふさわしい治療方法を相談させていただきます。

過不足のない精密検査

精密検査では、頭部X線規格写真（セファログラム）の撮影、パノラマレントゲンの撮影、口腔写真や顔貌写真の撮影を行い、歯型を採取して歯型模型を作成します。

セファログラムは、歯並びのアーチや上顎や下顎の位置、骨格の成長の方向と量などを分析するために用います。パノラマレントゲンでは、歯や歯周組織の状態を把握することができます。

顔貌写真は、安静時とスマイル時のお顔を正面・横・斜めから撮影します。これにより、お顔の左右対称性や横顔のバランス（Eライン）、お口の周りの筋肉の状態などを確認することができます。

また、歯型を採取して歯型模型を作成すると、歯の形や歯並び、咬み合わせ、歯茎の状態を横からも後ろからも確認できるようになります。

適切な診断

精密検査の結果を分析し、咬み合わせや前歯の位置、お口の周りの筋肉の状態などを考えて治療目標を設定します。治療のゴールが定まると、治療の手順や治療期間も推定できますので、患者様のご要望を加味した上で、考えられる治療法についてお伝えいたします。

治療方法や期間、費用やお支払方法などを納得して治療を受けていただけるよう、できるだけわかりやすくご説明いたしますが、ご不明な点やご心配事などがありましたらお気軽にご質問ください。

矯正治療を専門とする歯科医としての思い

歯科矯正を専門としているかそうでないかは客観的な評価としては大変有用ですが、それが絶対的なものであるとは思っておりません。もちろん、一般の歯科の先生の中にも矯正技術の高い方はいらっしゃると思っています。ただ私自身、矯正学を学び、多くの臨床経験を通して得ることはとても多かったので、患者様ご自身やご家族の矯正治療のための医院選びをする上では、一つの指標にしても良いと考えます。

矯正治療は、患者様ごとにお口の中の状態も異なれば生活環境も異なり、この方法が唯一絶対という治療法は確立されてはいません。そのため歯科医師は、多くの治療経験から歯の動きを予想し、お子さんの場合は成長も予測しながら、習得した多くの治療テクニックの中から最善の方法を選択します。

当院では、患者様のご希望に応え、「矯正をして良かった」「この医院で治療して良かった」と思っていただけるように、常に患者様の声に耳を傾け、より良い治療のため研鑽を続けることを心がけています。